福岡県インターンシップ推進協議会
設立趣意組織構成事務局HOME

西日本新聞紙面にての紹介  

インターンシップは時代をつくる

 経済状況の低迷や雇用環境の変化により、若年層の就職後の定着率は低下し、その労働観はますます希薄になってきている。そんな危機的状況を打開し、学生に対して産学官よりよい雇用環境を整備していこうという制度がインターンシップである。「教育から職業への段階的移行モデル」ともいわれ、学生が企業で研修することで、充実した教育・就業体験を進めるもの。福岡県では平成十二年八月、地元の大学や企業・団体が集まり「福岡県インターンシップ推進協議会」を設立し、学生の社会教育を柱に取り組みを実施。今年度は県内の四年制大学のほとんどが参加しており、人材育成、雇用促進の面からも大きな期待が寄せられている。
 そこで、同推進協議会会長で九州大学総長の梶山千里氏と、学生の受け入れ側となる企業の代表として高橋豊久(株)NTTドコモ九州代表取締役社長にそれぞれの立場からインターンシップを通じた人材教育、よりよい雇用環境の創造などにつても語ってもらった。

福岡県インターンシップ推進協議会会長
九州大学総長
梶山 千里氏

教育という観点が大前提

−大学側におけるインターンシップの意義は何でしょうか。

梶山  大学としては教育という観点が大前提です。その一環として学生に社会経験をさせるということが第一に挙げらる素地をつくっていこうという思いもありまれます。これを通して、卒業したときにスムーズに社会に適応できる素地をつくっていこうという思いもあります。

学生の多くが満足だった

−社会体験に乏しい学生にとっては得るものが多いのではないですか。

梶山  私も学生時代、現場研修という形で約一ヵ月、工場で実習を行い非常に良い体験をさせてもらったこともあり、学生時代の社会経験は大切だと実感しています。


−今年の状況はいかがでしたか。

梶山  今年は県内二十大学から四百二十九人の応募があり、その中で、二百四十三人が参加しました。総括として、参加した学生の多くが満足のいく経験だったようです。
 企業自体も学生の動向をみることができますし、いい機会ではないでしょうか。
▲銀行本店にて。パソコン入力作業を行う

受け入れ企業団体増やして

−これまでの取り組みの中で、問題点や今後の課題などは。

梶山  福岡県の四年制大学に通う学生数は一学年平均約二万三千人います。それに比べて今年インターンシップ参加した学生はその1%強で、非常に少なく教育面でも理想とは程遠い数字です。もっと受け入れ企業や団体、受け入れの人数枠を増やしていくことが第一の課題です。合わせて、職業や専攻など学生と受け入れ企業とのマッチング(調整)も大切ですが、狭義的なものでなくもっと広い意味での社会体験という形で多くの学生を受け入れてほしいですね。間口が広がり学生参加数や受け入れ口が増えることで、カリキュラムなど内容も必然的に充実してくると考えています。

−インターンシップを促進する大学の中では単位化が話題になってますね。

梶山  インターンシップだけでなくボランティアなども含め、社会連携というくくりでやれば単位として考えやすくなるし、参加する学生が全体の約一割になれば、スムーズに導入できるのではないでしょうか。実は十月に、推進協議会にインターンシップ単位化を図るカリキュラム策定の検討委員会を設置しました。参加されている企業の意見などを取り入れてより良い制度にもっていきたいですね。

短大や高専にも呼びかけ

−今後の展望についてはいかがですか。

梶山  現在、推進協議会の参加大学は四年制大学だけですが、今後は短大や高専に積極的に参加を呼びかけていきたいと考えています。
 将来を見据えた場合、県単位ではなく、九州というブロック、全国、そしてアジアまでもにらんで考えていかなければならない、というのが持論です。学生のニーズを優先していけば、県境や国境を越えた連合体という制度が必要になるかもしれませんし、アジアの大学や企業との連携などネットワークを結んでいくことが私たちの役割だと認識しています。

人をつくる 国をつくる
NTTドコモ九州
代表取締役社長
高橋 豊久氏

適性や教育を考える契機に

−まず、インターンシップ制度の企業における意義についてお聞かせください。

高橋  主体性や創造性を持ち社会経済の変化に対応でき得る人材の育成は企業にとって緊急の課題です。そういった人材の育成を産学官の連携で実施できることは大変意義深いと考えています。

−役割という面ではどのようなことがありますか。

高橋  学生が在学中に自らの専攻や将来のキャリアに関連した就業体験を行うことで、「仕事」というものに対して具体的なイメージを持てます。また、自分の職業適性や将来設計を考える契機になってなり、就業意識を高めることにつながるでしょう。大学の教授では得られない体験により、視野も広がり学習意欲を高めるものとなると思います。

▲飲料製造販売会社にて。研修の最終報告を行う

企業に対する理解深める

−今年、初めてインターンシップで学生を受け入れましたね。

高橋  当社では、今夏、福岡県インターンシップ推進協議会を通じて募集を行い、文系理系それぞれ二人ずつ計四人を受け入れました。
 フレッシュで意欲的な学生が参加してくれたので、職場の雰囲気も明るく活気づきました。学生からも「企業の雰囲気を肌で感じることができ、得がたい体験となった」「社会人の皆さんとの交流の中で多くのことを吸収できた」など良い経験ができたようです。最終日に成果報告を行ってもらいましたが、例えば「iモードの利用促進を図るには」をテーマにしたある学生の発表では、若いユーザーならではの、実に斬新で鋭い提案を聞くことができ、当社の事業展開に大いに参考になりました。お互いに良い結果だったと喜んでいます。
 学生に対して業態など企業に対する理解を深めてもらえますし、当社でいえば今後の移動通信業界の発展に向けた人材の育成が図れます。
 インターンシップは、採用に直結するものとは考えてませんが、学生の能力や適性を見る上では非常に良い機会ととらえています。就職してからのミスマッチもなくなるので、中には採用につながるケースもあるのではないでしょうか。
▲インテリア製造の現場で。家具に布を貼り付ける
▲市役所にて。図書館受付業務を行う

意欲的な学生の参加を

−問題点や今後の課題などは。

高橋  デメリットとしては、受け入れ部門(部署)に、ある程度負担がかかることですね。当社も始めたばかりなので、ノウハウもあまりありません。大学側と連携をとりながらより良いインターンシップのあり方について検討していきたいと思っています。
 推進協議会の役割であるマッチングは大変な作業ですが、企業側としてはやはり、できるだけ意欲的な学生に参加してもらいたいですね。また、事前にビジネスマナーなどの研修を企画していただいていますが、受け入れをスムーズに行う上ではありがたいです。

社会貢献の立場で取り組み

−今後の展望についてはいかがですか。

高橋  社内的には受け入れ部門の拡大・体制の整備を図っていく予定です。年々、インターンシップに対する期待が高まり、ニーズも増えていく状況の中、当社としても社会貢献という立場から「主体性・創造性を持った人材育成の場」として積極的に取り組んでいくことで少しでもお役に立ちたいと考えています。

重要性増す青年の職業意識の醸成
福岡県知事
麻生 渡氏
 少子高齢化やグローバル化の進展の中で、将来の夢や目標を持ちその実現に向けて努力する人間性豊かな青少年の育成が重要であり、本県では、現在、青少年アンビシャス運動を推進しています。
 さまざまな団体で行われている大学生などのインターンシップは、職場見学会や就職ガイダンスなどとともに、学生の皆さんが仕事についての理解を深め、自分にあった仕事探しに役立つ有効な取り組みであると考えております。
 また、しっかりした社会観と就業意識を持つ若い人材を育成するという意味でも重要性を増しております。
 本県では多様性と想像力に富んだ21世紀型の産業構造の構築による雇用の創出を進めるとともに、労働市場で不足する人材を育成し、多様な就業形態を作り出すことにより、雇用環境の整備と雇用の促進を図っております。
 また、青年が在学中から就業意識を醸成していくための施策を中長期視点に立って推進してまいります。
 今回、インターンシップに参加された若い皆さんが、今後、生き生きと能力を発揮できる仕事を見つけられるとともに、志を持って社会の様々な活動に積極的に参加していただくことが、活力ある福岡県を創造していくために必要です。大いに期待しています。

産業界と大学の一層の連携を
経済産業大臣
平沼 赳夫氏

近年、わが国の産業界を取り巻く環境は空洞化の進展や国際競争の激化など大変厳しい状況にあります。そのような中で、学生に企業現場での実務経験を積ませるインターンシップは、将来の産業界を担う人材の育成に大きく貢献するとともに、学生の企業家精神を醸成し、また特に中小企業にとっては大学との連携のきっかけづくりとしてもきわめて重要であると考えております。
 これを踏まえ、経済産業省としましては、従来からインターンシップに参加する派遣学校や受け入れ企業などの開拓、学生と企業のマッチングなどに対する支援を積極的に実施してきており、インターンシップが、大学および産業界の年を追うごとに浸透し、参加学生および産業界にとっても意義深いものと認識しております。
 また、より広くインターンシップの趣旨を理解してもらい、制度を普及、浸透させるため、全国でインターンシップ制度の普及のためのセミナー・発表会などを実施しているところです。
 もとより、こうしたインターンシップ制度につきましては、「福岡インターンシップ推進協議会」をはじめとする地域に根差した取り組みが重要であり、同協議会のこれまでの御尽力に感謝するとともに、引き続き御協力お願いする次第であります。
 当省としましても、インターンシップ制度の重要性にかんがみ、将来の産業界を担う多くの有望な人材を育成し、また産業界と大学の連携が一層促進されることを目指して、今後とも、努力したいと考えております。


トップページ
 設立趣意 組織構成 事務局 インターンシップとは インターンシップQ&A 学生の皆さんへ 受入企業・機関の皆様へ
福岡県インターンシップ推進協議会
〒812-0011 福岡市博多区博多駅前2丁目9番28号 福岡商工会議所ビル1階 社団法人 福岡県中小企業経営者協会内
TEL/ 092-451-8593  FAX/ 092-451-9379  E-MAIL/ internship@chukeikyo.com