福岡県インターンシップ推進協議会
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学生が在学中に就業体験をすることで仕事や企業に対する理解を深め、企業にとっても優秀な人材との出会いや企業イメージを高めるなどさまざまなメリットのあるインターンシップ制度。能力主義を徹底する企業が増え、若年層の離職率の高さも深刻な社会問題となっている今日、学生と企業とのミスマッチを解消していくための制度としてその普及が期待されている。福岡県でも平成十二年八月、地元の大学や企業、団体が「福岡県インターンシップ推進協議会」(会長、梶山千里・九州大学総長)を設立し、学生の社会教育を柱にした事業を推進している。平成十四年の夏から加盟大学(十七年十月現在県内三十大学・短期大学が加盟)に受入情報を公開、具体的実施から四年目を迎えた今夏の本協議会を通じたインターンシップによる就労体験学生は、応募数八百四十六名に対しマッチング調整の結果、五百十八名(十月六日現在)の学生が決定し、企業や自治体等における就労体験に臨んだ。これは昨年同期比九十三名増となった。そこで、積極的にインターンシップに取り組む西日本鉄道代表取締役社長の長尾亜夫氏と西南学院大学学長の村上隆太氏に自身の学生時代も振り返っていただきながら、それぞれの立場でインターンシップへの期待や学生へのエールを語ってもらった。


部活動やボランティアに熱中していた学生時代
長尾 大学時代は部活動で法律研究会に所属していました。大学祭で行う模擬裁判の準備のために裁判官や弁護士の先輩に助言をしていただいたり、全国組織の討論会に参加するなど、積極的に部活に励んで、多くの人や社会とのかかわりを持つようにしていました。遊びといえば登山をしたり、格安な三本立ての映画を見たりしていましたが、学内外で出会う人そのものが非常に刺激的でした。
村上 私はボランティア活動に力を入れていて、福岡市近郊の福祉施設はほとんど回りました。ペンキ塗りやプール作りを手伝ったり、ミシンを使わないボタンの穴かがりなども習いました。また、国際キャンプでは泊り込みで関東や関西の施設に行き、東南アジア、アメリカ、ヨーロッパの学生たちと活動を共にしました。何しろ英語しか使えないので、ずいぶんと訓練されましたが、その時の経験が今も生きていることは事実です。
長尾 就職を意識したのは大学二年の頃だったと思います。私は法学部だったので周囲の友人は法曹界や公務員の道に進もうとする者もいましたが、私は当時、産業立国・貿易立国として成長しつつある日本経済に貢献したいと強く思ったため、民間企業で働き、活躍することを志していました。
村上 私は古代史に興味があったので、考古学を勉強してエジプトやギリシャの発掘をしたり、好きな英語を生かしてアメリカ留学をしたいと考えていました。その後、一度通訳を体験して、西南学院大学に勤めるようになってからは英国のエディンバラ大学に二年間留学をしました。ある意味で、若い頃の夢は今、形を変えて実現したと思っています。

インターンシップで一回り成長する学生
長尾 次世代を担う人材の育成は、企業にとっても社会的責務だと感じています。そこで、西鉄グループとしてインターンシップに取り組んでおり、この夏も、当社をはじめ(株)西鉄ストア、西鉄旅行(株)、(株)西鉄シティホテルにおいて合計二十四人の学生を受け入れさせていただきました。
村上 本学では、インターンシップを「望ましい職業観や職業に関する知識・技能を涵(かん)養し、自己の個性を理解した上で、主体的に進路を選択できる能力・態度を育成するキャリア教育の重要な柱」と位置付けています。現状では単位を認定する正課教育ではなく、課外教育プログラムの一環として、就職課が主管部署となってその充実・拡大に努めています。学生はまずインターンシップの募集掲示を見て、希望する事業所や仕事内容に向けた参加申込書を提出します。その後、面接や学業成績等によって選考され、事前研修やオリエンテーションを受けた後に実習に入ります。今年は、春季二十四人(うち海外三人)、夏季六十五人(同一人)の合計八十九人を派遣しました。このうち、福岡県インターンシップ推進協議会を介して派遣したのは六十一人です。
長尾 当社では十五日間のインターンシップ期間中に、鉄道事業では天神大牟田線の福岡駅にて駅務員業務を、自動車事業では福岡市内の営業所にて事務員業務を体験していただいています。参加当初は不安げな表情をしている学生も、最終日には「せっかく仕事が楽しくなってきたところなので、もっと長く経験したかった」などと、大変ありがたいお言葉をいただいています。
村上 もともと、インターンシップを希望する学生の意識は高いといえますが、プログラムを修了した後はさらに一回り大きく成長したように見受けられます。感想を聞くと、「自分が描いていたイメージと実社会との比較ができて良かった」「コミュニケーションの大切さを実感した」など好評です。

職場体験で実社会を理解しよう
事業の理解を深めてもらうきっかけにも
長尾 世の中のIT化がどんなに進んでも、結局、企業にとって最も重要なのは「人」です。人の力、人間関係、人と人が協力しあってチームで仕事をするということの大切さを学生に理解してもらえれば嬉しいです。また、意欲のある学生を職場に受け入れさせていただくことで、職場が活性化するだけでなく、既成概念にとらわれない若者の斬新な発想が大変参考になることもあります。そして、何よりも職場体験を通して当社の事業内容を理解・認知していただくことは、とてもありがたいことだと思っています。
村上 インターンシップを体験させていただければ、その企業に対する学生の思い入れもかなり強くなり、事業の理解を深めていただける人を増やすことにもつながるのではないでしょうか。受け入れ側にとってはご迷惑なこともあるかもしれませんが、学生が意欲を持ってインターンシップ制度に参加することは、長い目で見れば企業や社会にとってもプラスになるのではないかと思います。もちろん、インターンシップを社会人になるための準備期間として経験しておけば、就職してから「こんなはずじゃなかった」という進路選択のミスマッチも防げるはずです。
長尾 そのことは、社会全体として大変重要なことです。例えば、ニートの問題なども、一つには学生が自ら描いていた仕事に対するイメージと現実とのギャップがあるからだと思います。確かに仕事は楽しいばかりではありませんが、決して苦しいだけのものでもなく、人は仕事の中にやりがいを見つけて、そこに人生観や充実感を見出しているのです。インターンシップでそうしたことを理解した上で企業選びをすれば、働くことのやりがいや喜びも違ってくるはずです。

短期間に集中して多くを学んでほしい
長尾 これから社会に巣立つ皆さんには、常に好奇心を持ち、時には熱くなることも忘れずにいてほしいと思います。また、できるだけ多くの人と接して、世の中はさまざまな物の考え方を持っている人たちの集まりで成り立っているということを知ってもらいたい。そして、本をたくさん読むこともおすすめします。多くの書籍に触れることは人間性を豊かにし、物事を多面的視野から見る目を養うばかりでなく、個性や創造性を育むことにも役立つからです。
村上 インターンシップは将来の職業に向けて必要なものを準備するための貴重なチャンスです。せっかくのプログラムなのですから、短い期間に集中してできるだけ多くのことが学べるよう、心と体のアンテナを三六〇度張って、何でも敏感に吸収してきてほしいですね。
長尾 例えば海外旅行に行く前に、その国の歴史や文化、名所などほんのちょっと調べておくだけで、短い期間でも有効に使うことができます。それと同じように、インターンシップに参加する場合も、事前にその企業のことを少し勉強しておくだけでも手応えが違ってくるはずです。インターンシップで感じたことを今後の学生生活や就職活動にぜひ生かしていただきたいと思います。


次代の人づくりに向けたインターンシップ

次代を担う若者が、自分と社会との関係や自分の将来像を十分描けないまま実社会に入っていることが、昨今の離職者の増加やフリーター、無業者の増加の一因となっていると考えられます。
 これらの若者が、社会に出て、戸惑うことなくキャリアを形成するためには、就業前に現実の経済活動や社会活動を体験し、自分の進むべき道を見つける契機となるインターンシップの重要性が増しています。
 また、インターンシップは、学生等を受入れる企業にとっても、自社のPRや大学との交流が促進されるなどのメリットがあります。
 他方、インターンシップをめぐる課題として、インターンシップが広く知られておらず参加企業が少ないこと、参加学生の問題意識が明確でないこと、また、大学における単位認定やフォローアップが十分でないことなど、今後改善すべき点もありますが、なによりも大事なことは、次代を担う人材を育成するために、産学官が連携・協力して普及に取り組んでいくことだと思います。
 九州経済産業局としましては、産学官の関係者がインターンシップの課題や方向性を整理するとともに、連携・協力し、その普及に向けた取り組みを強化されることを期待しております。
 また、近年増加している九州への留学生を産学官が協力して大事にする取り組みも重要です。異なった考えや文化をもつ留学生はインターンシップを通じ、産業界に新たな刺激を与える可能性があり、九州経済産業局では関係機関と協力しつつ、仕組みづくりを支援していくこととしております。
最後に、福岡県インターンシップ推進協議会のこれまでの真摯(しんし)な取り組みに敬意を表するとともに、今後より一層の積極的な事業展開をお願いする次第です。
平成17年度夏季受け入れをしていただいた企業・団体・行政機関
近畿大学産業理工学部
西南学院大学
福岡大学
九州産業大学
久留米大学
北九州市立大学
福岡女学院大学
九州情報大学
福岡女子大学
九州工業大学
筑紫女学園大学
九州女子大学
九州大学
東和大学
中村学園大学
九州国際大学
福岡県立大学
福岡工業大学
西日本工業大学
九州共立大学
久留米工業大学
福岡教育大学
西南女学院大学
福岡国際大学
筑紫女学園短期大学部
西日本短期大学
精華女子短期大学
近畿大学九州短期大学
純真女子短期大学
福岡工業大学短期大学部


平成17年度夏季受け入れをしていただいた企業・団体・行政機関
企業
(株)秋元商会
(株)一級建築事務所 ハーバーハウス
(株)岩田屋
エフコープ生活協同組合
エントリーサービスプロモーション(株)
(株)オークマ
(株)九電工
(株)クリエイティブジャパン田川カルチャースクール
国際経営(株)
昭和鉄工(株)
(株)正興電機製作所
鳥飼ハウジング(株)
(株)中島田鉄工所
なかよし共同作業所
西鉄旅行(株)
(株)西鉄シティホテル
西日本鉄道(株)
(株)ニューオータニ九州 ホテルニューオータニ博多
のこのしまアイランドパーク
(株)博多座
福岡県青少年科学館
(財)福岡コンベンションセンター
(財)福岡国際交流協会
福岡酸素(株)
(社)福岡市シルバー人材センター
(株)福岡山の上ホテル
(株)ボンラパス
三井鉱山マテリアル(株) 有明プレシジョン
(株)アダル
特定非営利活動法人 NPOふくおか
福岡市 NPO・ボランティア 交流センター「あすみん」
(株)カーサ・フェミニナ 教育研究所
九州朝日放送(株)
(株)サニックス
(株)竹中工務店 九州支店
(株)電通九州
(株)西鉄ストア
日本通運(株)福岡支店
日本生命保険相互会社 福岡支社 福岡ブランチ
(財)福岡県産業・科学技術振興財団
(財)福岡県女性財団
福岡ゼロックス(株)
福岡トヨタ自動車(株)
(株)富士経営
特定非営利活動法人 フリースクールゆうゆう
(株)やずや
レイナ(株)
(株)ワイドレジャー
(株)談
ホーリー・アンド・カンパニー(株)
(株)イーアイエス
インテリジェント レーベル(株)
植田会計事務所
(株)NTTドコモ九州
NTT西日本(株)福岡支店
コマップ(株)
コカ・コーラウエストジャパン(株)
(独)国際協力機構 九州国際センター (JICA九州)
(株)小倉スポーツ
五洋建設(株)九州支店
システムラボラトリー(株)
シャボン玉石けん(株)
(株)ジャンヌマリー
(株)日本ジーニス
(株)ゼンリン
大和不動産鑑定(株)九州支社
(株)津田商事
(株)ナフコ
(株)西日本リビング新聞社
社会福祉法人 二丈福祉会
(株)日本カール・デュイスベルク協会
(有)羽山プロジェクトオフィス
(株)ピー・アンド・シー
(株)ビジネスリファイン
(社)福岡県中小企業経営者協会
福岡コミュニティ放送(株)
(株)ホークスタウン
(株)フラウ
(株)ホテル日航福岡
(株)安川電機
(株)リーガロイヤルホテル小倉
(株)諒設計
(株)ロッキーコーポレーション
福岡商工会議所
(株)おおやま夢工房
(有)エコ・フラワー
九州計測器(株)
興和道路(株)
(株)スポーツクラブフェニックス
特定非営利活動法人 九州海外協力協会
(株)博多大丸
(株)ファビルス
(株)フォーネット社
(社)福岡県高齢者能力活用センター
社会福祉法人福岡コロニー
ロケット石鹸(株)
日建建設(株)
(有)イー・サポート
加藤特許事務所
(株)犬吉猫吉ネットワーク
(財)西日本産業貿易コンベンション協会
日技城製造廠 (中国広東省)
(株)アイキューブドシステムズ
(株)サダマツ (ビジュソフィア)
(株)角川書店 (九州ウォーカー)
福岡空港ビルディング(株)
医療法人 隆幸会 河内病院
(有)糸島みるくぷらんと
コクヨ九州販売(株)
(株)テノ .コーポレーション
(株)南陽
(株)アルシュ
(株)よかネット
新宮町社会福祉協議会
三洋電機(株)
福岡ひびき信用金庫
ジェイアール九州都市開発(株)(JR九州ホテル福岡)
(株)アイク
(有)ユーハウス・イング
第一生命保険相互会社
石川金属工業(株)
新郷道明税理士事務所
西部ガス(株)
楽しい(株)
(株)エヌピーシー福岡
クレビィア(株)
日本タングステン(株)
沖縄県福岡事務所
企業・団体  計 128社

大川市役所
大野城市役所
大牟田市役所
春日市役所
久留米市役所
太宰府市役所
筑紫野市役所
那珂川町役場
柳川市役所
八女市役所
飯塚市役所
田川市役所
古賀市役所
宗像市役所
行橋市役所
九州経済産業局
福岡市役所
地方公共団体 計 17団体

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